
健康情報
真夏だけじゃない
6月から熱中症に注意を
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熱中症で救急搬送された人は昨年、過去最高に
熱中症は真夏の猛暑日だけ注意すればよいと思っていませんか。消防庁が発表した2024(令和6)年の熱中症による救急搬送状況によると、5月から9月の搬送者数は9万7578人で、調査開始以来、最多となりました。なかでも、本格的な暑さを迎える前の6月には、7275人が搬送されており、過去2番目に多くなっていました。
梅雨時は気温だけでなく湿度も高くなりますが、からだがまだ暑さに慣れていないため、うまく汗をかけず熱を逃がしにくくなります。そのため、知らず知らずのうちにからだに熱がこもり、熱中症を引きおこしやすくなるのです。
とくに注意が必要なのは高齢者で、救急搬送された人のうち57.4%が65歳以上でした。また、発生場所としてもっとも多いのは「住居」で、全体の約4割を占めています。屋外だけでなく、室内でも熱中症の対策が必要ということがわかります。
熱中症の予防には、室内の温度・湿度管理を行い、こまめな水分補給を習慣づけましょう。とくに高齢者は、のどの渇きに気づきにくく、水分補給が少なくなりがちです。1時間おきに水分をとるなど、タイミングを決めてこまめに飲むようにしましょう。外出時は、天気予報や暑さ指数(WBGT)をチェックし、帽子や日傘などで日差しを防ぎましょう。また、運動などで汗をかき、からだを暑さに慣れさせる「暑熱順化」も大切です。本格的な暑さが到来する前に、熱中症対策を始めましょう。
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暑熱順化とは?
暑熱順化とは、からだを暑さに慣れさせることです。暑さが本格化する前に、運動や入浴で汗をかく習慣をつけると、上手に汗をかけるようになり、熱中症の予防になります。暑熱順化には、個人差がありますが、数日から2週間程度かかります。