健康情報

令和6(2024)年度の高額レセプト上位の概要より
月1,000万円以上の高額レセプトは過去最多の2,328件に

高額療養費制度によって少ない負担で医療が受けられる

「1カ月の医療費が1,000万円以上かかったケースは10年前の6倍超に」――このような調査結果が健康保険組合連合会(健保連)の令和6(2024)年度「高額医療交付金交付事業における高額レセプト上位の概要」によって明らかになりました。
レセプトとは、患者が受けた医療について診療報酬を健保組合に請求するために医療機関が発行する明細書のことです。

1,000万円以上の高額レセプト件数の推移

2024年度の医療費のうち、1カ月に1,000万円以上の高額な医療費がかかった件数は2,328件で、過去最多となり、なかでも3,000万円以上の高額レセプトが大きくふえていました。
高額レセプトの上位100位の内容をみると、その多くが悪性腫瘍(がん)や先天性の難病の治療のための超高額な医薬品の使用によるもので、その平均は4,250万円にも及びます。
患者個人で高額な医療費を払うのは大きな負担となりますが、健康保険には「高額療養費制度」というしくみがあります。医療費の患者負担が一定額を超えたときに、健保組合がその分を負担してくれる制度です。そのおかげで、私たちは最先端の治療を少ない自己負担で受けることができるのです。
また、健保連では1つの健保組合に超高額な医療費請求があったり、複数の高額請求があった場合に備えて、保険料の一部をプールしておき、そこから交付する「高額医療交付金交付事業」を実施しています。ただし、医療の超高額化は健保組合の財政の大きな負担となっています。

知っておきたいがんの基礎知識

がんの罹患(りかん)数と死亡数の関係

がんに罹患するとは「がんにかかる(がんと診断される)」ことを意味します。
がんの部位別に罹患数と死亡数の順位をみると、下の表のようになります。罹患数と死亡数では順位が異なっていることがわかります。
罹患数は多くても、死亡数が少ないがんは、早期発見、早期治療で完治につながりやすいがんともいえます。そのためには、定期的にがん検診を受けることが大切です。対象の人は欠かさずに受診しましょう。

がん罹患数の順位(2021年)

1位 2位 3位 4位 5位
男性 前立腺 大腸 肝臓
女性 乳房 大腸 子宮

出典:国立がん研究センター

がん死亡数の順位(2023年)

1位 2位 3位 4位 5位
男性 大腸 すい臓 肝臓
女性 大腸 すい臓 乳房

出典:国立がん研究センター

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